◆「風水学」とは空間を対象にした東洋医学
東洋医学において中心的な概念が「気」です。
気の状態が心と身体の状態を決定しています。
すなわち気が整えば心身は整い、気が乱れれば、心身は乱れます。
心と身体をつなぐもの、それが「気」です。
気が活性化すれば身体は活性化し、精神活動も活発にします。
気は、怒りに激化し、悲しみに衰え、恐怖に沈み、冷たさに縮み、熱さで逃げ、驚きに混乱し、喜びに和らぎ、楽しさに踊る、
といった性質を有しています。
疲れると気は消耗し、考えすぎるとつまるのです。
気を整えることは、心に豊かさをもたらし、心身共に健康になり、経済的力を持つことを可能にします。
環境の影響を「気」という観点から整理・体系化した技術が「風水学」です。
気は風に乗れば散らばり
水にへだてられれば止まる
古人はこれを集めて散ぜしめず
これを行いて止めるあり
ゆえに、これを風水という
これは、中国・晋時代の風水学者、郭璞が著した「葬書」の一節です。
気は風水の基本であり、気をつかむ事が幸運をつかむ事です。
「気の流れを読み取る技術」が風水です。
◆風水と家相の違い
風水とよく似たものと思われているものに家相があります。
周囲の状況や環境、建物自体の形状を無視して、間取りの位置だけを見て吉凶を決めてしまう家相では、判断を誤ってしまうことになります。
間取りだけで気の流れを読み取ることは不可能なことです。
まず、屋外の環境がどうなっているかを見なければなりません。
例えば、家相で良いとされる東南側の玄関の場合、玄関の前が開けているという前提条件があれば、東南側に玄関を作るのは悪いことではありませんが、
何があっても東南側に作るとなると、現実を無視していると言わざるを得ません。現実を無視して良い気を確保することはできません。
ここが家相と風水が決定的に異なる点です。
たとえ家相による方位や方角で見て内部の間取りが良くても、
周囲の環境が何か不安を強く与えるならば、住むには適していないと判断し、
間取りを優先して生活が不合理や不快になるなら、何かが変だと思い
気の状態や流れを調整しアドバイスすることが風水です。
◆家の中を流れる気を捉える
人間の体内には気が流れていますが、家の中にも気が流れているのです。
気は人間の身体・家・大地に流れているもので、これらをしっかりと捉えることが運を開いていく上で非常に重要です。
気には天の気、地の気、人の気という3種類があります。
天の気は、空から流れてくる気で、住宅で見た場合「宅気(たくき)」と言います。
地の気は、大地を走ってくる気のことで、風水では「太極気(たいきょくき)」と
呼ばれています。
人の気は、人が生まれながらにして持っている気のことで、
この個人が持っている気を「本命気(ほんめいき)」と呼んでいます。
◆住む人によって良い家というのは違う
風水は住む人の本命気によって異なってきます。
人によって良い家というのは違うということです。
人と人に相性があるように、家と人にも相性があると考えるとわかりやすいかもしれません。
家族それぞれ良い場所は異なりますので、長男にとっては北側にある部屋が良くても、次男には良いとは言えずに、次男にとっては東側の部屋が良い、ということがあります。
ご主人は南側の寝室で寝るのが良いが、奥さんが同じ寝室で寝ると落ち着かず、仕事がうまくいかない、ということもあります。
このように人によって、また部屋の使用目的によっても善し悪しは違ってきます。
家との相性は、住む人の生まれ年でみていくことができます。
どの位置の部屋が誰に良く、どんな目的に向くかなど、細かく鑑定することができますので、
家を建てて家族で住む場合には、家族全員の生年月日を調べて、それぞれに合った本命気の吉方位の部屋を寝室にし、家族全員にとって風水の良いところを玄関やリビングルームにするなどの工夫を、設計の段階からしていくと家族全員にとって良い住宅になります。
本命気と呼ばれる人の気は、人が生まれながらにして持っている気です。
本人が生まれ持った気を十分に生かせるような部屋で成長できれば、
存分に力を発揮でき、将来的には財運にも恵まれるのです。
人が生まれながらにして持っている「本命気」は、脳が記憶していて、変えることができない生年月日に基づいて決まっています。
自分だけの気を存分に生かすことで運を開くことができるのです。